事業計画

2019年度ひびき福祉会事業計画

2018年1月に宮城県の60歳代の女性が「旧優生保護法」のもとで強制的に不妊手術を受けさせられた事に対して、国に謝罪と補償を求めて提訴したことをきっかけにマスコミでも大きく取り上げられ、札幌・東京・熊本など全国的に提訴の動きが広がりました。
これに対して国の方でも救済法案が作成され、課題はありつつも今後通常国会に提出される予定です。

また8月には国の27の省庁で障害者雇用の水増しが発覚しました。それも2-3年前のことではなく、障害者雇用促進法が制定されてから42年間も続いていたのです。本来国や地方公共団体は法定雇用率が2.3%(現在は2.5%)であったのに対して、実際は1.19%と半分ほどの実態でした。(約3450名も水増し)これは制度の理解が不十分、算定方式の解釈の誤りなどというものではなく、「障害のある人は人手もお金も余分にかかる」という偏見が根深くあるためだと考えられます。

強制不妊問題にしろ、障害者雇用水増し問題にせよ、根底には「生産性」があるかないか、国にとって役にたつかたたないかという基準で人の価値をきめる優生思想がもたらしたものだと思います。

10月には生活保護の引き下げがおこなわれました。2013年・2014年・2015年と3回連続で引き下げられた上の更なる引き下げです。今回は生活扶助費の削減、母子加算などの見直しです。また後発医薬品(ジェネリック)による給付を原則としました。2013年に生活保護の引き下げが憲法25条に反すると違憲訴訟が始まり、現在では29都道府県で原告も千人に広がりました。東大阪からは2名が原告となって頑張っています。障害者にとってまさに「いのちのとりで」となっている生活保護引き下げを許さない運動に連帯していきます。

年明けには65歳問題で介護保険優先原則の問題を憲法違反として裁判をおこしていた浅田さんですが、①岡山市が介護認定に応じなかったために重度訪問介護を打ち切った処分を取り消し、②障害福祉サービスの支給を義務付け、③慰謝料の支払いを命じた判決を勝ち取り、浅田さんの主張がすべて受けいれられました。65歳になっても障害がかわるわけでもなく、今までと同じ生活がしたいという当たり前の願いのもとにおこされた裁判ですが、高裁の判決は画期的なものでした。司法の判断は全国の仲間に勇気と希望を与える物でしたが、未だに市町村によってとらえ方や運用の仕方に格差があるのも事実です。今後の行方を慎重に見守る事が必要です。しかし、声をあげれば支援する人達があつまり、司法を動かす力になる事が大きな確信となりました。

昨年も障害者をとりまく様々な問題がおきましたが、個人の尊厳を守る事、障害者差別をなくしていく事、安心して生活し幸せな人生を送っていくことすべての基礎は、国が憲法を守り、暮らしに活かしていく事です。しかしその憲法が今変えられようとしています。
安倍首相はなんとしても自分が総理大臣の時に憲法をかえたいという野望をもっています。改憲草案の中味をみても誰のための何のための改憲なのかが見えてきます。人権を守る仕事に携わっている職員として、一人ひとりが尊重され、しあわせな人生がおくれるよう国の責任を明記した憲法を守るために学習し、行動を起こしていきたいと思います。

法人内では楽いふ建設にあたって、いろんな問題もおきましたが、7月に竣工式と内覧会を行い、8月からは「ひびき楽いふ」での事業開始となりました。新しく広い建物での生活に利用者も職員も喜んでいますが、建物はできたけれどキーパーの確保ができずに3階のホームは2ヶ月遅れの10月からの開所となりました。

昨年ほど人材の確保に困難を感じた年はありません。初任給のアップをはじめとして、ホームのパートの手当てのアップ、パート職員の時給のアップなど全体的に賃金改定を行いました。また求人広告は毎週のように行いました。面接にこぎつけた人・実習にきてもらった人もいますが、採用にまで結びつかなかった人達も多数います。
最終的に派遣会社にもお願いをして現在はホームに3名、日中は4名の方が働いています。一時的には派遣の利用も必要かとは思いますが、2か月契約という派遣の限界はあります。事業の継続にはそれを担う人材がいなくてはなりません。障害分野だけではなく保育士、看護師さんなど保育や医療現場も人手不足と聞きます。ひびきだけでは解決できない大きな課題です。人から喜ばれ、自分の成長も実感できるやりがいのある仕事だと思いますが、それだけでは生活していけないのも事実です。報酬単価を大幅に増やしてもらい、職員の給料をアップし、社会的にも身分が保障されるものになるように国に訴えていく事が必要です。更に法人としても様々な工夫や知恵を出していく事が求められています。

また昨年は災害に悩まされた年でもありました。6月18日におきた震度6の大阪府北部地震、最大風速47mを記録した9月5日の台風21号。どちらも非常に大きな災害であり、自然の脅威を思い知らされました。不幸中の幸いでひびき福祉会としては、人命に関わる被害はでませんでしたが、ACTの屋根が一部破損したり、支援センターの扉や窓ガラスが破損しました。地震では建物被害はありませんでしたが、利用者や職員は通勤時間帯でもあり、交通機関の停止や道路の渋滞に巻き込まれるという状況がありました。今後も起こりうるであろう災害にどう備えるのか、起きた時にどういう対応が求められるのか等、踏み込んだ計画が必要です。

以上のような国の動きや法人内の状況を踏まえて、以下の事業計画を作成しました。

<事業計画>

  1. 以下の障害福祉サービス事業を行います。

    ・ワークセンターの事業である就労移行支援事業は利用者がいなくなり、2018年5月から休止にしていました。しかしこの1年間希望者もおられない為2019年4月末をも って、廃止とします。今年度は福祉会として以下の事業をおこないます。

    アクティビティーセンターひびき(生活介護)
    従たる施設 アクティビティーセンターひびき きずり

    ワークセンターひびき(多機能型)
    生活介護・就労継続支援B型
    特定計画相談支援事業
    パレットひびき(生活介護)
    ルタンティール(出張所)

    サンプレイスひびき(生活介護)

    ハイワークひびき(就労継続支援B型)

    リーブセンターひびき(多機能型)
    就労継続支援B型・自立訓練
    リーブキャンパスひびきは新たに1年生4名を迎えます。2年生は3名です。

    鴻池ハイツ(共同生活援助)

    ショートステイひびき(短期入所)

    ひびきヘルパーステーション(居宅介護・移動支援・同行援護)

    障害者生活支援センターひびき(東大阪市相談支援委託事業・一般相談支援・特定相談支援・障害児相談支援・福祉有償運送)

    いきいきネット相談支援センター(東大阪市からの委託事業)

  2. 地域の人達との交流の場として、「ひびき祭り」を行います。

    昨年は酷暑のために、初めて「夏祭り」を中止にしました。今後も酷暑は続くと予想されるために、夏場の祭りはやめて「ひびき祭り」として行います。地域にひらかれた法人として、事業所を開放して交流ができる内容を考えていきます。

  3. 第5回ひびき福祉会実践報告会を開催します。

    2年に一回行っている実践報告会を2020年2月に行います。報告会の中身については主任会議で準備をしていきます。ひびきの実践について広く知っていただく、また職員にとっては実践を振り返り、質を高めていく機会とします。

  4. ひびき福祉会の中期計画を作成します。

    2013年に将来構想プロジェクトを立ち上げて中期計画を作成しました。ひびき楽いふの建設やリーブキャンパスの開設はその計画を実現させたものです。しかしサンプレイスの移転等課題も残っています。利用者の状況も変化し、社会資源も変わってきています。
    その為に、今後10年後を見越し中期計画を作成します。メンバーは管理者・主任の中から構成します。

  5. 地域における公益的なとりくみとして今年も「福祉有償運送事業」を行います。

    昨年は実利用者数26名(うち法人内は名)、協力運転手は5名(職員は6名)、福祉車両は3台で運行してきました。施設入居者の送迎は減っていますが、通院は相変わらずニーズは高いです。今年度も支援センターの事業として行います。

  6. ひびき福祉会の法人内でのスポーツ交流会を年1回開催します。中身については例年どおり実行委員会をつくって準備をしていきます。

  7. 生活介護事業所については月1回の医師の巡回指導を行います。また希望者には歯科の訪問治療を行います。

<経営・運営面>

  1. 福祉会の事業をすすめていくための要である人材の確保と育成に努めます。

    2018年度は福祉会始まって以来、人材確保では困難を極めました。派遣職員で乗り切ってきた感はありますが、事業の継続や発展のためには長期に安定して働いてもらえる職員がかかせません。そのために、ひびき福祉会のみではなく他法人とも協力連携をして、知恵をだしあい創意工夫をしていきます。またひびきに就職した職員が利用者とともに育っていけるように、会議や研修の充実に努めます。

  2. 多様な働き方を受け入れ、職員が元気で長く働き続けられるように、時間内での会議の調整や負担が一人に集中しないように、職場環境の改善に努めます。また10月から新設される処遇改善加算も取得し、職員の賃金改善に努めます。

  3. 2019年度は2000万円の積み立て資金を目標とします。

    昨年は楽いふの建設のために積立資金を大きくとりくずしました。今年度の障害福祉予算は0.44%のプラスにはなりますが、ひびきとしては人員配置基準が下がり、収入としては大きな増額は見込めません。また借金の返済が2020年度からはじまります。今後の施設改修や事業計画のためにも積み立て資金が必要です。10年後を見越した事業展開のための財政基盤づくりを進めます。

  4. 法人内の横断的な会議として以下の会議を開催します。

    ・主任・副主任会議・・・・
    苦情・要望・ヒヤリハットなどの法人内での共有化
    実践や情勢の共有化と課題についての検討
    ・就労担当者会議・・・・・
    高工賃獲得の為に事業所間の情報共有と新商品作りを検討
    ・研修担当者会議・・・・・
    職員の経験別研修と全体研修の中身の検討
    ・防災担当者会議・・・・・
    防災についての整備の検討と避難訓練
    ・給食担当者会議・・・・・
    利用者や職員の給食への要望を反映・食中毒などの学習会
    ・安全運転対策会議・・・・
    安全運転への意識を高める
    ・人材確保対策会議・・・・
    職員採用をすすめるための検討
  5. 法人としての危機管理体制を再度見直します。

    昨年の地震・台風などの災害を受け、各事業所でも備蓄品の確認や建物や付近の危険個所の洗い出し等、職員・家族への連絡体制など再度計画を見直し具体化していきます。

    また、感染症についても感染拡大を防ぐために情報の共有や、休む期間の基準などを明確にします。